半世紀以上も前の話
ボクが小1か小2ぐらいの頃
母につきそわれて歯科医院によく通っていた
治療がすべて終わると
母は「お世話になりました」と言って余分にお金を置いて帰ってきていた
子どもだったのでよく分からないが
おそらく治療費の2~3割を上乗せして払っていたと思う
超困難な大手術をして、執刀した先生に謝礼金を払うようなノリで
歯科医院だろうが、耳鼻咽喉科だろうが、小児内科だろうが、
とにかく母親は謝礼金を払うのが好きだった
で、ある時、ニュースを見ていた母が
「あの歯医者さん、無免許医で逮捕されてるわ~」
と言った
子どもながら、さぞ母親は落ちこむだろうと思ったが
「無免許なのに、すごく腕が良かったなぁ~。もう治療してくれへんのんかぁ、さみしいなぁ」
と、わけの分からんことをつぶやいていた
まったく母親の思考が理解できない
一番理解できなかったのは
駅前の駐輪場の管理のおっちゃんに
「お世話になります」と言って
かなり高価なお菓子を渡していた時は
子どもながら本当に引いてしまった
もはや「気持ち」というより
何かの「儀式」のように思えた
ボクが大学生になって
父親の会社が倒産してから
母親は急にケチになった
お金の価値観って難しい
